秦雅則「ZOI&HEO」
いつの日も写真家、いつまでも暇人である秦雅則による二冊目の写真集。
2013年、blanClassによる出版物「写真か?」では、鷹野隆大氏と世代差のある価値観をぶつけ合う三度の対談による対談集を刊行し、2014年、A組織による出版物「二十二世紀写真史」では、同世代の作家35名と毎夜一糸まとわぬ写真語りをし酩酊しつぶれていた。もう語ることもないだろうという2016年、やっとのことで、一ツ目から出版された写真集「鏡と心中」では、どろどろに腐敗するフィルムの中に目の前の世界の美しい美しさと醜い美しさに慄いた!慄いた!そして、秦は腐りきった!そのまま心中してしまうのかと思いきや、、、2019年、二冊目の写真集を刊行する!!「ZOI&HEO」、存在するものと存在しないものの写真集であり、歴史の夢である!!
A組織
以下、A組織に宛てた秦雅則のコメント
もう自分にも飽きてしまって、自分の中には誰も居ないと思っていた。生きている中で沢山の人に出会って愛や情を経験し、少しづつ考え方は変わってきたが、誰も居ない世界は暇だった。
そんな時、北海道に行ってみようと思った。自分には経験出来ない歴史がそこにはあるのかもしれないと思ったし、自分の中にも経験出来ない歴史があるのかもしれないと思った。
そして、それはあった。
自分の中には沢山の人が居た。興味があるという不思議な気持ちだけで、その一人ひとりに自己紹介してもらおうと思うのだけど、皆、夢の中で出会う何かのように現れては消えていく。それはとても悲しく怖いことのようだと思ったのだけど、全てを平等に留めたいと思った。
~ オホーツク文化圏のシャーマニズム信仰(特に、フゴッペ遺跡の刻画に残された記憶)と、存在しない人々に捧ぐ~
秦雅則
2019年11月22日 初版第一刷発行
著者 : 秦雅則
編集 : 椿昌道
装丁 : 羅苓寧
発行人 : 松井和哉
発行所 : 厳奈那堂出版+A組織
印刷製本 : 日本写真印刷コミュニケーション株式会社
プリンティングディレクター : 渡辺穣
本写真集は“ARTIST IN RESIDENCE at TSURUI,AKAN,HOKKAIDO SERIES”として刊行されました。
ISBN 978-4-9607923-4-3 C0072
上製本
294×220mm
138ページ
秦雅則 Masanori Hata
1984 福岡県生まれ
2009 企画ギャラリー明るい部屋 設立
2012 出版レーベルA組織 設立
主な個展歴:
2009
「ネオカラー」明るい部屋
「幼稚な心」東京都写真美術館
「幼稚な心」OPAアートコート
2010
「シニカル」明るい部屋
「虹色とエロの破壊衝動的な」明るい部屋
「目が見えない」blanclass(横浜)
2011
「明るい部屋」明るい部屋
「暗い部屋」明るい部屋
「明ルイ部屋以降/超写実写真発表会」blanclass
「秦雅則+端間沙織」artdish g
「埋葬」横浜トリエンナーレ関連施設・新港村
2012
「人間にはつかえない言葉」artdish g
2013
「Thanksgiving on summerday?」TS4312
「ENDDAY」artdish g 2016
「透明な太陽」HIGURE 17-15 cas
グループ展多数
受賞歴:
2008
「写真新世紀」グランプリ
コレクション:
清里フォトミュージアム